私はジャンルにこだわらないで本を読む方ですが、ミステリー作品が一番好きです。どちらかというと長編小説の方が好きなのですが、『傍聞き』を読んだことでようやく短編の良さに気づくことが出来ました。

長編の方が好きな理由は登場人物の感情を読み込んでいくことで、その世界観にどっぷりと浸かることが出来るところです。長い時間をかけて読むだけあって作品への親近感とか愛着心も湧きますしね。
逆に短編は愛着を持った頃にはもうクライマックス。「あー、次はもう違う話かー」なんて、ちょっと物足りなさを感じることが多かったのです。

しかし、長岡弘樹著『傍聞き』に関しては違いました。短い中に内容が凝縮されているおかげか、自分の頭で次の展開を常に予想し続けました。「きっと犯人は○○だな。」と考え続けながらもだいたい予想が外れてしまい、心がくすぐられる感じがします。その予想外という楽しさがテンポ良く生まれることで、短い時間没頭して読むことが出来ました。

この作品は4つの短編が詰められた1冊ですが、その中で私がお気に入りなのは題名にもなっている『傍聞き』。
シングルマザーで刑事を務めると、娘のやりとりは途中モヤモヤさせられますが、それぞれの気遣いを感じて温かい気持ちになりました。

今まで読んだ短編もこんな風に楽しめば良かったんだなーと後悔。自分の読書力の無さが悲しくなってきます。(; ̄ェ ̄)