執念、憎悪、嫉妬。どんな人間でも外には出せない卑劣な感情が、心の奥底に少しだけは眠っているものです。新堂冬樹の溝鼠シリーズの主人公、鷹場英一はゲスの極みとも言える男。どんな映画や小説を見てもこれほど卑劣な人間を見たことはありません。
(リアルに伝えるために過激な表現を使っています。苦手な方は読むのをお控えください)

彼は幼少の頃に父親の鷹場源治から虐待を受け育ちました。「子供が泣き止むまで殴り続けた」「タバコの火を押し当てた」など、テレビのニュースで時々目を背けたくなるような内容が稀にありますが、源治の虐待と比べたら可愛いものになります。
「火傷のあとにわさび」「ナイフでつけた傷にタバスコ」と残虐性にあふれたしつけをしてきました。

そんな父親に育てられた鷹場英一は大人になり、復習代行を仕事として闇の世界で生きていきます。
その復習のひどさは父親譲り。その内容を少し紹介すると

ターゲットのフランス料理店のフロアに、一千匹のゴキブリを放した。
ターゲットの中学校教諭の授業中に、5人のデリヘル嬢を派遣した。

など、リアルな世界では想像もつかない方法。(これ以上は口にするのも恐ろしいっ!!)

『溝鼠 最終章』は鷹場英一に復習を誓う、彼の異母兄弟、赤迫慎吾との物語。ともに源治の血が流れる2人の考え方は、双方ともに腐っています。前作で英一は源治を殺しており、赤迫は父を殺した英一を恨み、敵討ちをしようとします。
英一はヤクザの組長から助っ人を、赤迫は非合法な死体処理を請け負うクリスと双子の弟源三を味方につけます。そこで繰り広げられる裏切りや行為は人間のゲスな部分を、これでもか、これでもかと掘り下げて表現しています。

どこを読んでも「いや、そこまでやらないでしょ」とツッコミたくもなるのですが、人が他人を最大限に恨むとここまでかと思うと、自分のゲスな部分も見直さずにはいられません。
一番見直さなければいけないのは、こういう小説を読んで気持ちが高ぶる私の感情ですがねw

「溝鼠」「溝鼠VS毒蟲」と全部読んでみると、英一のゲスなところが心に染みます!!
黒新堂は最高!!勇気のある人は読んでみてくださいw