ライブマナー。この言葉を語るときにはいつも賛否両論発生する話だと思います。Googleやtwitterで検索をかけると数々の意見がヒットし、勉強になる事だったり批判だったり様々です。「これが答えだ!」と言い切れないこのマナー。いったいどうすればいいのでしょうか?

ライブマナー

出口の見つからないモッシュ、ダイブ問題

激しいロックやメロコアに行くと必ずと言っていいほどモッシュとダイブが起こっています。そのほとんどは前列のほうで行われており、その暴れる人たちと前でゆっくり見たい人の意見は対立しています。私自身の意見はどちらの気持ちもわかるので中立……と言いたいところなのですが、自分もダイブしてたりするので暴れる側の人間に入ります(笑)
そんな私でも「あぁ、このモッシュは嫌だな」とか「そのダイブはダメでしょー」って思う事がよくあります。どこを境に自粛しろと言えるのか?それすらも人によって様々です。

アーティスト側から自粛を促したケース

9mm Parabellum Bulletのライブで客のマナーが悪いと言われ、ベースの中村和彦さんから開演前に注意のアナウンスが流れたことがありました。内容は下記の通りです。

・マナーの悪さがメンバーや客に危険を及ぼしてる恐れがある
・今までライブを続けてきたが、このまま改善が見られなければライブを中断
・最悪の場合、中止になる可能性がある
・ステージに向かって水を撒く、モッシュ・ダイブは禁止とします
・このような行為を見つけ次第、退場してもらう場合がある。

どこのライブハウスにも注意書きされているような内容ですが、これをアーティストの口から発信するケースは稀で、ファンたちの間で物議を醸しました。
ライブ運営側としては怪我人を出したくない、機材を壊したくないと思うのは当然のこと。激しく人気のある彼らの演奏がこういった形で裏目に出てしまう事は悲しいことです。
ただ、モッシュやダイブが起こっていると嬉しいと思うアーティストが多いのも事実です。それだけお客さんから反応をもらえるというのは表現者として嬉しいことですから。

10-FEET TAKUMAが私に教えてくれたこと

2012年10月25日。ZeppTokyoで行われた10-FEETのライブへ行ってきました。私は後方の少し段差の高いところのバーから2列目くらいで見ていました。1列目でバーにもたれている人の中に夫婦子連れの3人がいました。
子供は始めこそ周りに愛嬌をふりまいたり音楽にキャッキャッしていたのですが、ライブが中盤に差し掛かると床にうずくまってしまいました。母親はチョロチョロ気に掛けながらも意識はライブへ、父親はたまに声は掛けるも母親以上にライブへ夢中な状態。不安になって私までソワソワ子供を気にする始末でした。

ライブが後半に差し掛かり「その向こうへ」を演奏する前にTAKUMAが語っていた時には、あやすために持たせていたスマートフォンから音が鳴り、母親が静止しようと担ぎ上げるも子供は大泣き。その鳴き声がちょうど静かに語っていたTAKUMAのMCを邪魔してしまいました。「あー、これは子どもが可哀そうだわー。」って思ったその瞬間でした。

赤ちゃん泣いてるの可愛いやん。

この言葉を聞いたときに厚い雲に覆われた頭のモヤモヤがパッと晴れました。
雰囲気壊されて一番大変なのはずなのに、そんなトラブルすらも掌握してしまう懐の深さを感じました。
「皆で助け合って怪我だけはすんなよー」とか「痴漢は絶対ダメ!!でも手の甲はOK!いや!ダメや!!(笑)」などオーディエンスを人一倍気遣うTAKUMAさん。人間性が豊かっていうのはこういう人のことを言うんですね。
twitterで@YABE4さんという方が「赤ちゃん泣いてたけど…俺は赤ちゃんの10-FEETにたいする声援だと思ってる!」と言っていました。そう思えたのもTAKUMAさんが悪くなりそうだった雰囲気を上手く転換させたですね。

ここで中国の思想家であり儒学の始祖、孔子の言葉をご紹介。

人々を法令によって導き刑罰によって正すとしたら、彼らは罰を免れようとして恥とも思わなくなるだろう。もし人々を道徳によって導き礼儀によって正すとしたら、彼らは恥を知り正しくあろうとするだろう。

道徳によって礼儀を正す……とても深い言葉だと思います。
前述したダイブ中に足をバタバタする人を引きずりおろしたとしても、相手は落ちちゃったくらいにしか思っていなくてまた同じことを続けるのかなと思います。
自分が具体的にどうすれば…というところまで考え付かないのですが、これからはそういう人たちの事も許してライブが楽しめる気がします。

悪因を良縁に変えるTAKUMAさん。その人柄を見習って生きていきたいと思いました。
皆で助け合って、皆で許し合って楽しめるライブ。皆で作っていきましょう!!